BtoBマーケティングにおいて、新規顧客を獲得するための方法として、ターゲットに積極的にアプローチし、営業活動を行うアウトバウンドマーケティングは大変有効です。
そのために欠かせない存在となるのが、営業リスト。そして、この営業リストの巧拙によって、営業活動の成果は大きく変わってきます。
そこで、本記事では、営業リスト作成のポイントや考え方、具体的な方法をご紹介することで、お読みいただいた皆さんが質の高い営業リスト作成のためのノウハウを獲得し、営業活動に役立てていただけることを目指しております。
1.よい営業リストとは?
営業リスト作成のポイントや考え方をご説明する前に、まずは「よい営業リストとはなにか?」を考えていきたいと思います。
よい営業リストとは、質も量も、アポイント獲得(もしくは契約獲得)という目標に対して基準以上になっているリストを指します。
質とは、情報(企業名、住所、電話番号、会社アドレスなど)の網羅性、鮮度、精度、販売していきたい商材とリストとの親和性を指します。基準は、テレアポのアポ率でいうと1%以上になっていれば十分と言えるでしょう。
量とは、アプローチできる企業数を指します。基準は、1%という質的な基準と目標数字から逆算して十分かどうかで判断します。例えば、目標アポイント件数が10件ならば、リストの量は100件以上は必要になります。
この質・量のどちらかでも不十分だと、目標達成は難しくなるでしょう。アプローチする企業数は十分にある(量はクリアしている)が質が低い場合、架電してもそもそも繋がらなかったり、繋がったとしても、担当者に興味を持ってもらえずアポイント獲得に至らない等のケースが考えられます。
2.お金をかけずに質の高いリスト作成をどう作るか?
それでは、お金をかけずに質の高いリスト作成をどう作るのか?そのポイントについてご紹介します。ポイントは、「自社プロダクトの競合・代替手段を使っている企業をターゲットにする」です。具体的な例を交えながら、ご説明しましょう。
あなたは新しいWebメディアを運営していて、そこの広告枠を売りたいと考えています。ターゲットは、デジタルマーケティングの担当者です。
では、そのデジタルマーケティングの担当者をターゲットにしたとき、その担当者はあなたが販売したいサービスの代わりに何を使っているのでしょうか?
おそらく、リスティング広告やディスプレイ広告、その他の専門メディアへの広告出稿、リタゲーティング広告を運用しているでしょう。
また、PRTIMESなどを使ったプレスリリース配信をしているかもしれませんし、広告運用ツールを使っているかもしれません。
そして、そういった競合・代替手段を洗い出した後、企業情報を集めていきます。
・ある特定のキーワードを入力して出てきたリスティング広告出稿企業をリスト化する
・専門メディアを調査し、そこで広告出稿している企業をリスト化する
・PRTIMESにプレスリリースを出している企業をリスト化する
・広告運用ツールの導入事例で掲載されている企業をリスト化する
などし、質の高い営業リストを作成していきます。
では、なぜ「自社プロダクトの競合・代替手段を使っている企業をターゲットにする」のがよいのでしょうか?それは、そうやって集められたリストは、自社プロダクトを使ってくれる可能性が非常に高い、いわゆる質の高いリストになり得るからです。
自社プロダクトを使ってくれる可能性は、
・自社プロダクトに対するニーズがあること
・自社プロダクトを導入、利用するための予算があること
の掛け合わせで決まります。そして、自社プロダクトの競合・代替手段を使っているということは、ニーズがあり、そこにある程度の予算を投下できていることの表れです。今回の例でいうと、既にオンライン広告に出稿している担当者には、広告を使って認知拡大やリード獲得をしたいというニーズがあり、さらにオンライン広告の予算を持っている、ということになります。ニーズが不明瞭、もしくはニーズがあっても予算がない企業に当たるよりは、格段にアポイント獲得の可能性は高まるでしょう。
3.手軽に企業リストを作るには?
ご紹介した方法で作成した企業リストの質は確かに高いですが、その作成には通常よりも時間や労力がかかってしまうことは間違いありません。目標には期限がつきもの。いかに期限内に、目標となるアポイント獲得を実現できるかが重要となります。
そこでこの章では、質を担保しつつも、より手軽に、スピーディーにリストを作成する方法をご紹介します。(一部、無料では実現できない方法もございます。)
BIZMAPS
BIZMAPSは、170万社以上の企業リストを保有する企業検索サービスです。無料の会員登録を行うことで利用することが可能で、毎月100件までなら無料でリストをダウンロードすることができます。
特徴はなんといっても、豊富に用意されているオリジナルタグ。展示会への出展有無、求人掲載有無、特定のシステムの導入有無などで、企業を検索することが可能です。この機能を使うことで、ご紹介した方法での企業リスト作成をより手軽に実現することができるでしょう。
SPEEDA
SPEEDAは、国外まで含めた企業情報を約1,000万社ほど保有している経済情報プラットフォームです。企業の情報だけでなく、独自の業界レポートやビジネスレポートを閲覧することができます。また、ターゲットリスト作成の際には、SPEEDA側で予め用意された「シナリオ」を利用することが可能です。シナリオには、「人材需要が高い企業」「オフィス移転需要が高い企業」「海外進出企業」などがあります。
料金は、利用人数に応じた月額制となっており、詳しい情報を知るためには問合せが必要です。
4.まとめ
質の高い営業リストとは、競合プロダクトを既に利用しているターゲットの情報です。まずは、ターゲットの明確化やペルソナの作成、競合企業や代替手段を提供しているプレイヤーを洗い出しましょう。そして、ご紹介したツールもうまく活用しながら、効率的に質の高い営業リストを作成していってください。